失敗しない車いすクッション選び3ステップ

失敗しない車いすクッション選び3ステップ

「種類が多すぎて違いがわからない」「結局どれを買えばいいの?」——
そんな悩みをお持ちの方へ、3ステップで失敗しない車いすクッション選びを解説します。
まず結論だけ知りたい方はこちらへジャンプ

こんにちは、ストアディレクターのイシイです

シーティングに携わり10年目、延べ500名以上のクッション選定をお手伝いしてきました。
この記事では「自分に合うかどうか」を見極めるポイントを3分で読める分量にまとめています。

  • 自分に合うクッションを3ステップで絞り込む方法
  • タイプ別メリット・デメリット早見表
  • 買う前に失敗を防ぐ“3つのセルフチェック”

STEP1:体の状態と使用環境を把握する

  1. 座位時間と姿勢の崩れ具合
    30分/3時間/6時間——長く座るほど体圧分散が重要。骨盤が前後・左右に傾きやすいかも確認。
  2. 既往歴・皮ふトラブル
    床ずれの既往、おしりの発赤、痛み・しびれなど。
  3. 生活環境
    屋内メインか屋外移動が多いか、クッションの持ち運び頻度(重量制限)は?

この情報が曖昧なまま選ぶと「すぐ姿勢が崩れる」「おしりが痛い」など高確率でミスマッチが起こります。

STEP2:クッション素材を比較する(平面形状・単層を前提)

Note:ここでは表面がフラットな単層クッションを想定し、素材だけが持つ一般的な特性をまとめています。
※立体形状、多層構造、密度、硬度などの違いによって、性能は大きく変動します。

■ ウレタンフォーム(一般的な柔らかめ)

  • 体圧分散:◯(厚みが増すほど◎に近づく)
  • 姿勢保持:◎(反発力が高い)
  • 重量  :◎(軽量)

加工しやすく価格レンジが広い。軽量で持ち運び◎。

薄く軟らかいものは底付きしやすい/へたりやすい。

■ ゲル(流動体)

  • 体圧分散:◎
  • 姿勢保持:◯
  • 重量  :△(重い)

流動体が体形に沿い局所圧を緩和、ズレ摩擦も低減。

重い/冬は硬化・夏は蒸れやすい。

■ エアー(空気注入)

  • 体圧分散:◎+
  • 姿勢保持:△
  • 重量  :◎(軽量)

空気が移動し圧を均等化。水洗いできるモデルも。

空気量の調整が難しい/ふわふわ感で安定性に欠ける。

■ ハイブリッド(複合構造)

  • 体圧分散:◎〜◎+(構造により変動)
  • 姿勢保持:◎
  • 重量  :◯〜△(素材配分による)

各素材の長所を組み合わせバランス良好。

構造が複雑で高価格帯が多い/メンテ手順が増える。

◎+:最優秀 ◎:優秀 ◯:良好 △:やや弱い

POINT:おしりを守るには体圧分散力が不可欠ですが、姿勢を安定させる座位保持力も同じくらい大切です。
エアーなど調整が必要なクッションは、正しいセッティングでなければ効果が得られません。選ぶ際は必ず「座る時間・姿勢の崩れ方・メンテナンス性」の3条件でご検討ください。

返信目安:翌営業日

STEP3:購入前の“3つのセルフチェック”で最後の絞り込み

  1. サイズを数値で確認
    車いすの座幅・奥行きをメジャーで測り、製品の仕様表と照合。クッションの高さも考慮してお選びください。
  2. 使用目的に優先順位をつける
    • 長時間座位(体圧分散最優先)
    • 姿勢保持(骨盤安定最優先)
    • 持ち運び・洗濯などメンテナンス性最優先
  3. 医療・介護専門職にひと言確認
    通院先の理学療法士(PT)・作業療法士(OT)などの身体評価ができるセラピストさん、または福祉用具に詳しいケアマネージャーさんに、 「このクッション(●●タイプ)を検討していますが、問題ないでしょうか?」 と「OK か NG か」だけ1意見として聞くだけでも安心です。

まとめ:3ステップで失敗ゼロへ

  • STEP1:体の状態と環境を把握
  • STEP2:タイプ比較で候補を絞る
  • STEP3:サイズ・目的・専門家チェックで最終確認

自力で判断が難しい場合は、専門スタッフに相談するのが近道です。

 

次回予告: 骨盤後傾セルフチェック(写真付き)(9月26日公開予定)

 

ブログに戻る

▼姿勢サポート関連ツール▼

お問い合わせフォーム